三澤斗春とリッパー・ザ・ジャック。
物語の終わりに。




簡単な健康診断を受け、マスコミを避けながら、空港を出た時には、すでに日は沈んでいた。



話によると、リッパーの要求は『世界平和』だったそうだ。


航空会社に何を頼んでいるのやら。


「そういえば、三澤さん。 さっき、テレビ嫌いにしては珍しく、インタビューに応じてましたけど?」


「あぁ、簡単に事の顛末を伝えただけだよ。『機長の機転と、乗り合わせた無重力拳法の使い手が、ハイジャックを見事解決』ってね」


「マスコミが、食いつきそうなネタだねー」

長倉が相槌を入れた。



機長と乱桐。


ハイジャックから見事、乗客を救った機長を、世間的に会社はクビにできないだろう。

ハイジャック犯を華麗に撃退した実績を持つ拳法。悪い印象はない。




なんて、抜け目のない………。







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