それは運命だから・・・
序章
「ごめん・・・ごめんな・・・」
 古ぼけた中国刀からは、一秒一秒時を刻むように赤黒い血が流れ落ちる。
古い小さな小屋から、少年の泣き声と犬の叫び声が聞こえる。
「お前が普通の犬だったら・・・殺さずに済んだのに・・・アレン・・・」
 中国刀を投げ捨てると、少年_ホウロウは中国の山林の吹雪の中へと消えていった。



 
 薄れる意識の中、夢か幻か、黒いローブを着た性別の分らない人が僕に近づいてきた。その人は、僕にこう呟いた。



 「お前は、もう一人じゃない」と・・・・・
< 1 / 64 >

この作品をシェア

pagetop