あなたは講師

恋香*ﾚﾝｶ*

ある日、いつものように職員室に入ると何か異様な匂いがした。

「く、桑原先生？この匂いなんですか…」

「鈴木先生！今原先生が戻って来たんですよ。無理してバスケなんてするから、足骨折したんですよ。」
やれやれ、と肩をすくめた桑原先生の目線に目をやる。



今原………
先生って…………？


「桑原先生〜！」
明るく振っている大きな手。これは……？
近付く人影を見つめた。

「今原先生、大丈夫なんですか？あっ、あとこちらがあなたの受け持つクラスの担任の鈴木先生！」

「大丈夫ですよ☆どうも！副担を任された今原です。よろしくお願いします！」
なに期待したんだろ、あの人じゃないよ。
こんな軽い人じゃなかった。

「鈴木梨那です。よろしくお願いします。」

それと匂いの原因はこの人。湿布の匂いがぷんぷんと漂ってきた。

私は顔をしかめて今原先生を見ていた。
「やっぱ…ニオイます？」
と苦笑いをしている顔はなんとなく、あの人に似ていた。