あなたは講師
駅について稚葉に連絡すると
黒い服着た人!
としか返ってこなかった。


黒い服着た人なんていっぱいいるってのに、とは思ったけど向こうから声かけられるのを待つ事にして駅のベンチに座った。

夏が近い事を知らせるような生温い風が私の体を包んで思わず身震いをした。



「…おぃ」
いきなり手首を捕まれ、聞き覚えのある声がした。





「…あっ…早瀬くん?なんで…?」

「稚葉ちゃんと章大に頼まれた。聞いてなかった?」

「あ!拓馬くん!?」

拓馬くん=早瀬くん
という方程式が瞬時に頭に浮かんで納得した。早瀬くんは頭をコクリとさせると私の手をひいて駅内に入った。

しばらくして駅に電車が滑り込む。早瀬くんは電車へ向かう。私は黙って早瀬くんの後を追った。

連れて来られた場所には当たり前だけど、章大くんと稚葉がいた。


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