あなたは講師
あれからずっと気になっていた。
私は名前もしらないその人を勝手に『でかメガネ』とよんでいた。


私は『でかメガネ』を探し続けた。
気になって気になって、仕方なかった。
朝会の時一年生の列を見ても、一年生の階に上がって探しても、見つからなかった。

一週間探しまわって、諦めかけていた時、理科室の前を通った。
もしかしたら…なんて期待をもちながら覗き込んだ。


私の探していた『でかメガネ』はいた。
一人で実験用具の準備や後片付けをして、せわしなく動きまわる『でかメガネ』を見つけた。
あの時の『でかメガネ』だ。

ただ違ったのは…一年生じゃない、ということ。
皺一つない綺麗なスーツを着ていた。

探し続けていた『でかメガネ』は先生だった。






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