ぎゅっとして
足元には、あれほど喜んでいた婚約指輪が、箱に入れられて置かれていた。


あたしと弟は、その部屋に入れてもらうことは出来なかった。


姉の亡骸を確認してきた両親が、じっと項垂れ、何時間も暗い部屋で泣き続けていた光景が、あたしの頭にこびりついて離れなかった。


翌日。


棺に入れられた姉は穏やかな微笑を浮かべていた。


ウェディングドレスに身を包んだその姿はとてもきれいで・・・・・


だけど、姉があたしに笑いかけてくれることは、二度となかった・・・・・。



 
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