地球最後の24時間
「一気に突っ切るしかないと思うけど、逃げ遅れる可能性は後ろのほうが高いぞ。お前、大丈夫か?」

「任せてよ」

 親指を立てて自信満々にうそぶく。

「すまん」

「気にすんなって」

 村人に気付かれないようにエンジンを切り下り道を走る。村に入ったらエンジンを掛けて全開で駆け抜ける腹づもりだ。

 近付いてゆくと悲鳴と自動装銃の銃声が響いてきた。

(自衛隊だ!)

 だとすればかなり厄介な事になる。逃げ場のない細い一本道だ。下手をすれば恰好の的になりかねない。

「ちょっ……まずいぞ」

 止めようとした声をあさきちは聞いていない。

「あれ自衛隊? じゃあラッキーじゃんよ。昼間も何度か助けてもらったし」
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