地球最後の２４時間

　真横になる景色──弾き飛ばされた赤い車体がコマのように回転してアスファルトに火花を散らしているのが視界に入る。

　次の瞬間、ガツンという衝撃が体に走り、俺は愛車と同じように回転しながら道路に放り出された。

（亜紀！）

　速度を落としていたのが幸いした。体の回転が収まるとすぐさま立ち上がれたし、レザーで防備した服装は最小限の怪我で事なきを得たようだ。

　少し肩に痛みを覚えるが、たいしたものではない。放り出された勢いそのままにバイクに駆け寄ろうとしたその瞬間、今度は腰に鈍い衝撃が走った。

（……っ！？）

　そのまま体は宙を舞い、再び地面に叩きつけられた。