地球最後の24時間
動態視力の限りを尽くして緑の枝を睨みつけ、一瞬で過ぎ去ろうとする枝を掴んだ。
振り抜く金属バットを手のひらで受け止めたような衝撃が走る。それは腕から肘を伝い、肩の関節を突き抜けた。
当然支えきれる訳はなく、軌道を変えた体は回転し、木々に弾かれ、いくつもの幹に打ち付けられた末に地面に叩きつけられた。
衝撃による激しい圧迫感が抜けきれないさなか、そのまま急斜面を転がり落ちてゆく。突如その先に現れる炎は、斜面が崩落していることを知らせていた。
「うおおお!」
転がりながら右手で掴めるものを探すが、視界も定まらぬ景色のなかではそれは虚しく空を掴むだけだ。落下が止まらない。炎の柱は目の前に迫っている。
左手が動かない。
枝を掴んだ代償は肩の関節を抜いたようだ。その左手に何かが触れた。頼りないと思っていた握力が反射的に力強くそれを掴む。
それは測量用か何かの木の杭だった。
振り抜く金属バットを手のひらで受け止めたような衝撃が走る。それは腕から肘を伝い、肩の関節を突き抜けた。
当然支えきれる訳はなく、軌道を変えた体は回転し、木々に弾かれ、いくつもの幹に打ち付けられた末に地面に叩きつけられた。
衝撃による激しい圧迫感が抜けきれないさなか、そのまま急斜面を転がり落ちてゆく。突如その先に現れる炎は、斜面が崩落していることを知らせていた。
「うおおお!」
転がりながら右手で掴めるものを探すが、視界も定まらぬ景色のなかではそれは虚しく空を掴むだけだ。落下が止まらない。炎の柱は目の前に迫っている。
左手が動かない。
枝を掴んだ代償は肩の関節を抜いたようだ。その左手に何かが触れた。頼りないと思っていた握力が反射的に力強くそれを掴む。
それは測量用か何かの木の杭だった。