地球最後の24時間
「まだ子供作らないの?」
結婚して五年目。実家に帰ったある秋の日、俺の母親は亜紀に面と向かって言った。唖然として血色をなくす亜紀をかばうように俺は口を挟んだ。
「だから、亜紀の喘息がもう少し良くならないと無理だって言ってるだろ」
「治ったら治ったらって、いつになったら治るの? もう何年経つと思ってるの?」
母親は子煩悩であり、少なからず……いやかなりだったかも知れない、亜紀に対して敵意を持っていた。
「最近の娘はスタイルが崩れるとか言って子供を産まないらしいけど……」
「馬鹿言うなよ!」
あまりの言葉に思わず声を荒らげたが、それは母親の怒りに油を注ぐ結果となったようだ。
「喘息って……死ぬような病気じゃなし」
母親はそれきり口をつぐむと、あとは一言も喋ることはなかった。
結婚して五年目。実家に帰ったある秋の日、俺の母親は亜紀に面と向かって言った。唖然として血色をなくす亜紀をかばうように俺は口を挟んだ。
「だから、亜紀の喘息がもう少し良くならないと無理だって言ってるだろ」
「治ったら治ったらって、いつになったら治るの? もう何年経つと思ってるの?」
母親は子煩悩であり、少なからず……いやかなりだったかも知れない、亜紀に対して敵意を持っていた。
「最近の娘はスタイルが崩れるとか言って子供を産まないらしいけど……」
「馬鹿言うなよ!」
あまりの言葉に思わず声を荒らげたが、それは母親の怒りに油を注ぐ結果となったようだ。
「喘息って……死ぬような病気じゃなし」
母親はそれきり口をつぐむと、あとは一言も喋ることはなかった。