空の少女と海の少年


「──で。10分経ったからって、まだ準備できてないのに飛ばされたんだよな〜。」


陸が溜め息をつくと
急に海斗が勢いよく立ち上がり
焦りながら周りを見渡して
何かを探している


「春……?」

「楠木―……あーっ!いねえ!」

「ちょっとどこ行ったのよ!」


奈々と陸も立ち上がると
春を探し始めた

すると森の方にある
茂みがガサガサと動いた


「みーんーなあーっ!」


聞こえた声に3人は
勢いよく振り向いた

元気よく手を振る春の姿

しかし3人はポカンと
口を開けたまま固まった


「見て見て熊さん!」


春が熊の頭を撫でながら
3人の前に来ると
海斗が春を熊から降ろした


「ったく、どこ行ってたんだよ。」

「森の中歩いてたら迷っちゃって……。そしたら熊さんに会って、海斗達が海にいるって言ったから連れて来てもらったのっ!」

「……心配させんな。」


髪をクシャっと撫でると
小さく笑った春に3人は安心した


つーか熊も従えるって楠木何者?


陸は少し疑問に思いました


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