空の少女と海の少年

◇新たな絆



春から話を聞いた3人は
着替えて寮を出た

外に出た瞬間
体に突き刺さるような殺気を
感じて前を見据えた

そこに立っていたのは悪魔


『夜遅くにごめんなさい。私はドール。空と海を殺しにきたの。』


バサリと漆黒の羽根をしまうと
大きな鎌を4人に向けた

奈々は前に出ると
ジュエルを銀の扇に変化させた


「……私と陸で時間を稼ぐわ。2人は早く融合して。」

「「分かった!」」


海斗と春が返事をすると
奈々と陸は構えた

ドールは奈々の扇を見ると
なぜか顔をしかめた


『その扇……あなた気神?』

「あら、あなたが私を殺したの?」

『違うよ。あなたと炎神を殺したのはリールだよ。馬鹿だよねー……あの時にその2人を庇わなければ、あなた達は死ぬことはなかったのに。』


ドールの言葉に2人は
顔を見合わせると笑った


「よかったわ。無駄死にじゃなかったのね。」

「本当だぜ!楠木と海斗を守ってたのか〜。俺ら超格好いいじゃん!」

『……馬鹿じゃないの?』


ドールが鎌を横に振ると
無数の風が2人を襲うが
奈々が壁を作り防御すると
同時に陸がドールを炎で包み込んだ


「おいおい、いつまで閉じこもってるんだよ。」

『……調子に乗らないでよね。』


羽根を広げ風を起こして
炎を消すと鎌を構えた
ドールを見て2人はニヤリと笑った


「「そうこなくちゃ。」」


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