空の少女と海の少年


「──うらあっ!」


キンッ


陸が炎を纏った足で蹴ると
ドールは鎌で防御したが
ミシミシと軋む音に顔をしかめた

視界の端で奈々が微笑んだのが見えた


『凄い重い蹴りね。何トンかしら。』

「100トンだけど、足りないなら増やしてあげるわ。」

『遠慮するわっ!』

「ちっ!」


蹴りを鎌で弾くと
そのまま遠心力で奈々に向けて
風の刃を飛ばした

向かってくる風に
奈々も技を放った


『幻蝶!』

『無駄よ。さよなら。』


奈々の扇から出た圧縮された空気が
無数の蝶となり風の刃を
相殺しようとしたが
攻撃力が違いすぎた

幻蝶は消え去り
風の刃が奈々の目の前に迫った

『!!』


ドールが反射的に上に飛ぶと
今までドールがいた所で
凄まじい爆発が起こった

あれが直撃していたら
ドールでもヤバいところだった


『っ!気神は囮か!』

『100トン!』

『ぐっ!?』


凄い勢いで地面に叩きつけられ
目を開けると
辺りが昼間のように明るくなっていた

立ち上がって空を見上げると
太陽のような大きな炎を
掲げる陸の姿に目を見開いた


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