空の少女と海の少年


廊下の窓を開けて飛び降り
学園の森の中にある
第一病棟に向かって飛んだ

飛んでいる間も
嫌な予感ばかりが胸を過ぎる


みんなは大丈夫、大丈夫、大丈夫


呪文のように
心で唱え続けていると
森の中に白い建物が見えた

春は柔らかい土の上に着地して
第一病棟の中に入った

病院独特の消毒の匂いに
また不安が押し寄せてくるが
気持ちを落ち着けて
受付の看護婦さんに尋ねた


「あの……S組の人、どこにいますか?」

「S組?ああ、あの子ね……。」


悲しそうに顔を歪めた看護婦さんは
5階の一番奥の部屋に
みんながいると教えてくれた


「ありがとうございますた!」

「……ますた?」


エレベーターなんて待ってらんない
早くみんなの所にいかなきゃ!


階段を駆け上がって
一気に5階に行くと
奥にある大きな扉の前に
奈央と優と由紀が立っていた


「みんなっ!」

「……春!?」


春が声をかけると
由紀と優は驚いて
奈央は春に抱き付いた


「試練は終わったの!?」

「うん、合格したよ。……ねえ、玲と蘭は……?」

「……ふたりは…。」


奈央が話そうとした時
扉が開いて数人のSPの後に
黒いスーツを着た女性が出てきた


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