空の少女と海の少年


遅れた奈央達が
タクシー乗り場に着くと
春達と由紀達に別れて
タクシーに乗り込んだ


「──あ、紅芋タルトはやっぱりポルシェだな。」

「「「それでそれでっ?」」」

「サーターアンダーギーもうまいぞー。」

「「「沖縄さいこーうっ!」」」


タクシーの運ちゃんの話しに
目を輝かせる春と蓮と陸は
貰ったパンフレットを見て
騒ぎまくっている

煩い3人を見て奈々はため息をついた


「……さっきまでの態度はどこに消えたのかしら。」

「俺は春が楽しんでるなら何でもいい。」

「春が楽しめない旅行なんてしないわ。」


¨世界は春を中心に回る¨

本気でそう思っている
春溺愛の2人は小さく笑った

タクシーの運ちゃんは
沖縄の名物を色々教えてくれた
首里城やひめゆり会館
そして


「昔から伝わる伝説でなあ、海の中に神殿があるんだよ。」

「海の中の神殿……?」


春達が思わず顔を見合わせると
タクシーの運ちゃんはニヤリと笑った


「それは¨海の城¨って言われてて、そこに行くと願い事が叶うらしい。ちょうどお前さん達が泊まるホテルの私有地でな。宿泊客じゃないと入れないんだよ。」

「願いが叶う¨海の城¨……ねえ海斗、それって……。」

「関係ないって事はないだろ。調べる価値はある。」

「ねえおじさん。その話「ほら、着いたぜ。」


蓮の言葉を遮って
運ちゃんはドアを開けた


「お嬢ちゃん達可愛いからタダでいいぜ。足元気をつけて降りな。」

「あ、ありがとう……ねえ!さっきの話……。」

「じゃあ、¨楽しい旅¨を。またどこかで会ったら乗せてやるよ。」


質問には答えずに
笑顔で手を振って
去っていってしまった

春達は嫌な胸騒ぎを感じながら
ホテルのロビーに向かった


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