空の少女と海の少年


「──みんな……。」


シャボン玉の向こう側で
大きく手を振る仲間の姿に
海斗達は顔がほころぶのが分かった


『っう!!』


突然聞こえた呻き声に
海斗達は勢い良く振り返った

そこには苦しそうに
頭を押さえるリールの姿


『なんっ……で…なんでアキが……?』


アキは死んだはず

なのになんで?

あの白銀の髪は


アキ?


『いやああっ!!』


苦痛な叫びが響き渡ると
大樹はまた根を伸ばしていく

しかしその動きは
さっきのような的確なものでなく
ただ、無我夢中で暴れくるうだけ


「何が起きてんだよ……。」


海斗は舌打ちをして大樹を睨み付けた


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