空の少女と海の少年


完全に水晶になった根に触れ
奈央は振り返って由紀を見た


「由紀ー。これもう平気?」

「……これは根。元をやらないと駄目だろうね。」

「元?それってどこ?」

「ちょっと待って。」


今まで優の後ろにいた由紀は
白銀の髪をなびかせて奈央の隣に行くと
水晶化した根に触れて目を閉じる

由紀の能力では人間界以外を
見る事はできないが
物体を通じて元を見る事は
可能かもしれないと思ったからだ


「………そっか。」


由紀はゆっくりと目を開くと
少し上へと視線を向け微笑んだ


「みんな、任せたよ。」

「……由紀?」

「私達は私達に出来る事をしようか。この根はみんなに任せれば大丈夫だから。」


由紀の言葉に4人は目を見開いて
今まで由紀が見ていた方を見た


「春に海斗に奈々に陸に金髪ーっ!!負けたら承知しないからね!!」

「「みんな頑張れーっ!!」」

「信じていますよ。」


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