クローバー
本当に争う必要など微塵も無いのに、馬鹿な王の発言のせいでこの国は狂ってしまった。今にして思う…。何故私はあの男の為に働いていたのだろう。
「セイ…」
荒い息を繰り返すコトハが、セイの腕を掴みか細い声を出す。コトハの身体には目立った外傷は無いが、酷く体力が落ちていて意識もしっかりしてない。危険な状況に変わりない。
今にも意識を失いそうな彼女に、セイは声を上げた。
「しっかりしろ!すぐに他の魔女を呼んで来る!」
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