つま先立ちの恋
「私は誰に何と言われようとフーと結婚するんだから。私にはフーだけなんだから。ずっとずっとそう決めてたんだから。

あんたの言う好きと一緒にすんな!」

さすがの私も息切れしていた。かなり本気で暴れてやったから、本気で体が悲鳴を上げているのがわかる。

和泉も同じく、乱れた息のまま私を睨んでいた。私も負けじと睨み返す。

すると、

「それはこっちのセリフだ」

和泉はしわくちゃになった体操服を正しながら、ぼそり、呟く。それから保健室のドアの前まで歩いて行くと、

「お前の言う好きってヤツと一緒にされたくないね」


そのまま出ていった。


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