つま先立ちの恋
「自力で帰れるな。子どもじゃないなら」

ぽたぽたと落ちるこの音は何だろう。目の前の現実から逃避したくてそんなことを考えてみる。

だけど、よくわからない。

フーは私を見下したまま、最後の言葉の矢を放った。


「二度と俺の前に現れるな」


それだけ告げてその場をあとにした。


今度はもう、追いすがる言葉もなかった。


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