つま先立ちの恋
あ、葵ちゃんの鼻息が聞こえた。違った、ため息だ。

『灯歌ちゃん…とにかく早まった真似だけはしないで。私、ちょっと部活が長引いちゃってまだ学校なの。もうちょっとかかりそうだから…』

「じゃあ、私も学校行く」

とにかくじっとしていたくなかった。体を動かしていたかった。言葉にならない気持ちが体の中を駆け巡っていたから。それをどうにか追い出したかった。

『わかった。部室にいるから…着いたらメールしてね。もし、こっちが早く終わりそうだったらまたメールするから』

「うん。わかった」

小さな子どもみたいに返事をした私。

現在位置がよくわからないけど、とにかく駅だ。駅を探そう。

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