つま先立ちの恋
「和泉君にドキドキしちゃうのはまあ、しょうがないよね。だって灯歌ちゃん、人生初デートでしょ? そりゃ緊張しちゃっても仕方ないけど…」

コクン、頷く。

そうなんだ。
自慢じゃないけど私はずっとフー一筋だったから、他の男の子とデートなんてしたことないし、それ以前に二人で出かけたことだってない。お父さんとも口利いてないくらいだしね。

『それなら尚更、映画なんて行っちゃダメだったんじゃないの? そんなにトランスフォーマー観たかったわけ?』

ブンブン、首を振る。

そうじゃないんだ。あの時はフーに冷たくされて人生のどん底にいて、いろいろと思い悩んでいたんだ、私。

それから ……………――


俺が忘れさせてやる ――…



あの言葉を、確かめたかったの。


私の人生からフーがいなくなったら、どうなるんだろうって。


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