つま先立ちの恋


「どうしたの、灯歌ちゃん?」

「ん~、ジャージがないんだよ」


お昼休み。お昼ご飯を食べ終えて次の体育の授業の準備の為、更衣室へ行こうとした時だった。

廊下のロッカー(シャレではない)からジャージの入った袋を出そうとしたけれど、入っているはずのそれがなかったのだ。

「忘れちゃったの?」

「んにゃ、昨日持ってきたはず…」

『教室?』

「…かなぁ?」

葵ちゃんとパペちゃんを廊下に待たせたまま、私は教室の自分の机まで戻って探してみる。

やっぱりない。


……………おかしい。


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