つま先立ちの恋
‡11月


それは何の前触れもなく、突然やってきた。



……………………………



「………上履きがない」



いつもと同じ朝のこと。自分の下駄箱に入っているであろうはずの上履きがない。

「あっれ~、おかしいなぁ。昨日、確かに…」

ブツブツ言いながら近くの下駄箱に間違って入っていないか探してみるけど、やっぱりない。誰かが間違えて履いてっちゃったとか?

「ん~、しょうがないか。そのうち発見されるだろうよ」

なんて、私は軽い気持ちでいたけれど。



この時、それはすでに始まっていたのだ。




私の知らない所で ………―



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