つま先立ちの恋
「それにしても、10歳って…」

『執念深いね』

「一途って言って!」

「私、フーさんに直接会ったことないけど、灯歌ちゃんの話を聞いてると、なんかちょっと影のある感じでかっこよさげだね!」

「あ、葵ちゃん、好きになっても無駄だにょ。フーには私しかいないんだから」

『すごい自信~』

ふふん、とイスに座ったまま胸をはる私。

その時、放送室のドアが開くと、

「お、なんや、取り込み中か?」

陽気で人懐っこい笑顔で現れたのはシロ先生だった。

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