姉弟道
「そんなお前も、好きな人ができたんだな」

独り言を言うように、アズにぃが言った。

「そりゃ、高校生なんだからできるに決まってるよ」

俺が返事をすると、アズにぃは俺の頭のうえに手を乗せた。

「モテ男のくせに生意気をぶっこいてんじゃねーよ」

俺の髪をクシャクシャにしながらアズにぃが言った。

「んな、モテねーよ」

クシャクシャにされながら俺は言い返した。

アズにぃは俺の頭から手を離すと、
「例の先生のこと、好きだったら頑張れよ」
と、言った。
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