姉弟道
それからつけくわえるように、
「そんなウジウジしても仕方ないだろ」
と、アズにぃは言った。

「ん…」

乱れた髪を軽く整えながら、俺はアズにぃの言葉に返事をした。

「昔からそうなんだよ。

菓子を選ぶのも何をするのも、いつもウジウジしてて見てるこっちがツッコミたくなるよ」

叱られている子供のように、俺はうつむいた。

アズにぃは息を吐くと、
「そんなに好きだったら、言葉にして伝えるくらいの勇気を持て」
と、言った。

「けど、振られたら…」

顔をあげた俺にアズにぃは、
「振られたら、またこうして奢ってやる」
と、また髪を乱した。

「それじゃ、帰るぞ」

行きと同じように、アズにぃが前を歩いた。

「待ってよ!」

俺はアズにぃの背中を追いかけた。
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