姉弟道
「――ちゃうの…?」

呟いているような小さい声で、リコが言った。

「何だよ?」

聞こえなかったので、俺は聞き返した。

って言うか、小さいのは身長だけにしろって言うんだ。

もう少し言うなら、胸を増やせ。

今のまんまじゃ完全に洗濯板だぞ。

洗濯板以外何にも表現しようがないっつーの。

そう思った俺に、
「――すみれさんと、つきあっちゃうの?」

独り言みたいに、リコが言った。

小柄なリコがさらに小さく見えたのと同時に、彼女が愛しくなった。
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