姉弟道
*゚。梓Side。゚*

全く、今日は厄日かよ。

俺はそれしか言いようがなかった。

「今日は親子丼を作ってみたの」

樫野がちゃぶ台のうえに丼を置いた。

彼女の手作りだと言う親子丼はできたてのホヤホヤである。

「一緒に食べよう」

そう言って樫野は微笑んだ後、箸を持った。

一緒に…って、夫婦か!

タカアンドトシみたいにツッコミを入れて見ても、俺のテンションはあがらない。

それどころか、気持ちも一緒に下がって行く一方である。

樫野には悪いが、親子丼は全くと言っていいほどに味がなかった。
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