~天使はふたたび舞い降りる~
絶望と希望
目がさめたとき
私は病院にいた。

女が心配そうに覗き込んだ。

「大丈夫?」

「ここは?」

「病院、もう大丈夫だからね」

その人の同情した目に
さっき何があったのかを
思い出した。

「助けられなくてごめんね。
あの人頭おかしいわ。
恐ろしい人だわ。」

私はもう涙もでなかった。
唇が腫れていたかった。


「あなたのお母さんをよっぽど
愛してたのね。」


  愛?
  これが愛?


「あなたがお母さんにそっくりだから
あなたの目をお母さんと錯覚して
あなたの気配に
興奮するんだわ。
あなたの気配で女を抱く
屈折してる・・・・
不思議だったけど
やっとわかった。
私は受け止められないから
やっと別れる理由が見つかった。」


女は出て行った。


私の体に悪魔が入り込んだ。


汚らわしい体


  もうおしまいだ・・・・・

病院の天井ま真っ白だった。
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