~天使はふたたび舞い降りる~
奈楠
父親は、旭川に住んでいた。

電話をすると
若い声の女性が出た。

「わたくし マリッサ札幌店の
佐川と申しますが
林 奈楠さんは お嬢さんですね?」


怪訝な声を出して
若い女性から
父親に代わった。


「もしもし」


「奈楠さんのことなんですが。」

聞き覚えのある声

「娘がなにか?」

「店で万引きしまして
警察を呼ぶつもりでしたが
おとうさんの連絡先を
おしえてくれましたので
今回うちでは
初めてなようですから
保護者連絡だけさせてもらいました。」


「あのバカが・・・・・」
低くドスの聞いた声

この声に何度威嚇されたろう

母の泣き叫ぶ声を思い出した。
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