~天使はふたたび舞い降りる~
車まで見送ってくれた二人
中村は歩くのも
しんどそうだった。


亜恋が心を強く持ってる分
中村は痛みや苦しみに
耐えているような気がした。


「四季・・・」
中村が四季を呼んだ。



亜恋が俺のところにきて

「今日はありがとう。
奈楠には、うちでお茶してから
一人で帰ったことに
するね。
・・・四季さんよろしく・・・」


「うん・・・・
亜恋ちゃん・・・・
がんばれよ・・・・
なんて言葉しか言えない・・・」


「ありがとう。
芳樹さんも奈楠のこと
絶対支えてあげて。」


そして四季を振り返り


「絶対、不安にさせないで。
複雑だと思うけれど・・・
ごめんね、私を送ってこなければ
四季さんに会わなかったのに・・・
三人に…悪いことしちゃった・・・」




「わかってるよ。
大丈夫だから。
ただ、四季とは中途半端だったから
気になってた、とても・・・
あえてよかったよ。」


中村を支えながら
亜恋は大きく手を振った。


車のミラーに小さくなっていく
二人は
もうすぐ
永遠の別れをするんだろう・・・
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