~天使はふたたび舞い降りる~
「泣いてもいい?」
四季が言った。

「いいよ、俺だって泣きたい気持ち。
つらかった、正直早く帰りたかった。」


助手席で四季は泣き続けた。

俺も涙が流れ落ちた。


しばらくしてから
「もう大丈夫・・・」

そう四季が言った。


「食事でもしようか?」
このまま送るのも・・・
でも二人っきりも
正直しんどかった。

「いいの?
奈楠ちゃん待ってるでしょ?」


「今日はもういけない時間だから。」


「うれしい。」
そう呟いた四季はあわてて
口を抑えた。


「ごめんな・・・・
あれから、つらかったろ?」


「つらかった・・・・
今でもつらい・・・・
あなたと会うなんて思わなかった。」


「俺もだよ。」


「優が会わせてくれたのね。
ずっと前に進めなかったから。」


「ごめん・・・」


「違うのよ、責めてるんじゃない。
私の性格のことよ。」




「ねえ、食事はしなくていいから
その分もっと二人で
話たいの・・・・
コンビニで飲み物買って
どこかで車とめてくれる?」



二人っきりをさけて
食事に逃げようとしてた
自分の心に気づかれたようで
驚いた。




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