東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
その夜、おフロから上がって部屋に戻ると、ケータイにロムからの着信があってた。

左手ではタオルで濡れた髪の水分を拭き取りながら、右手で早速ロムに電話をすると、彼はあたしからの電話を待っていたのか2コール目で出てくれた。


「はい、もしもし」

「もしもし、クリスだけど」

「ごめん、いま忙しかった?」

「ううん。ちょうどおフロに入ってて部屋にいなかっただけ」

「そっか」

「うん。それでなんか用事でもあった?」

…なんて、わざとらしく訊いてはみたけど、あたしにはロムがどうして電話かけてきたのか、その理由がもう分かっていた。


「用事ってゆーか……その……で、デカのことなんだけどさ……」

すごく言いにくそうにしてる彼。

「お前さ、今日、“本命”とか言ってチョコ渡してたけど……アレ、本気なのか…?」

「…だったら?」

「それは辞めといたほうがいいと思うよ…」

「デカ島とは付き合うな、ってコト?」
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