東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

「あ、ごめん、フロあがりだったよな? 湯冷めしないように暖ったかくしときなよ」

そんな言葉はいらないよ。

「フッた相手にそんなやさしい言葉をかけるのは残酷だよ。じゃね、バイバイ」

「ば、バイバイ…」

彼が電話を切ったのを確認すると、手に持ったままのケータイで今度はメールを送った。

相手はデカ島。内容はこうだ。


『オーイ!

 今日は“本命”なんて言ってチョコ渡したけ ど、アレ嘘だから本気にすんなよ(爆)

 …ってかアンタにはチーコがいるじゃん?

 お幸せに~っ♪

 もしチーコ泣かすようなことしたら、あたしが アンタを泣かすから覚えときな!!』


けどデカ島からは、なんのリアクションもなかった。

たぶん、それなりにショックを受けて、今頃はベッドで寝込んでいることだと思う。


…ってか―――



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