日直当番
「言ってる傍から何やってるんですか。見せてください」


伸びてくる進藤くんの手を私の手が阻止した。


「いいよ。こんなのなめてれば治るし」


「それは衛生的によくありません。ちょっと待っていてください」


今にも指をなめようとしている私に待ったをかけて、進藤くんは後ろの自分のロッカーに向かった。


ロッカーから取り出したのは小さい救急箱だった。


「いつもそんなもんロッカーに入れてるの?」


「もしものときのためです」


「保健室行けばすむことじゃん」


「保健室はなぜか人が大勢たまるので好きません」


「あっそ」



< 19 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop