macaron-マカロン-   *イケメンアイドル's Love life*

「絶対に来て下さい!待ってます!!」


「おーい。レイア、行くぞ。」


良一は2人の会話を割くように、扉の前から声をかけた。


「あ、待って。じゃあね、るなちゃん。」



レイアは手を振って
るなと別れた。




「お見送り、エレベーターまでで良いよ。」


レイアは来たエレベーターに乗り込んだ。


良一も一緒に乗り込み、1階のボタンを押す。


「新聞取るから、下まで行くわ。」


エレベーターの静寂の中で、無意識に二人は黙ってしまった。


レイアは眠そうにしている良一の横顔を見て、初めて食事に誘われた時の事を思い出した。


後で良一に聞いた話だが、あの時良一は、レイアの下手な物真似を隠し撮りして、
笑い物にしようとしていたそうだ。


「ほんと、バカだよね。」

心の中で呟き、思わず笑ってしまう。


「何?」


良一は疑わしげにレイアを見た。


「ん?あぁ、だらしない顔だなーって思って。」


「そりゃ、いつもキメてられないでしょ。お前だって、化粧崩れ酷いよ。」


「うわ!むかつく!」


レイアは言葉とは裏腹に、嫌な気持ちではなかった。
< 50 / 55 >

この作品をシェア

pagetop