macaron-マカロン-   *イケメンアイドル's Love life*
「るな、お前先に家に戻ってろ。」


るなと呼ばれた少女は、良一の話を完全に無視して、レイアに話し掛けてきた。


「私!るなって言います!ファンです!あの、サイン下さい!写真撮っても良いですか!?あ、朝食食べて行って下さい!今日はフレンチトーストなんです!」


るなはマシンガンのように、次々と言葉を発射する。


「え?え?いやでも…朝食ご馳走になるわけには…。」


レイアは時計を盗み見た。


朝の7時。


家に帰ってから朝食を食べても、仕事には十分間に合う。


「そう言うワケで、皆川さんは帰るから、お前も部屋に戻れよ。」


良一が、るなに向かって、"シッシッ"と手を振り、追い払おうとする。


レイアも素早く身支度を整えると、鞄を手に取った。


「じゃあ…今度遊びに来て下さいね。」


るなはガックリと肩を落としている。
兄と違って、妹は押しが弱いようだ。


そんな るなの様子を見て、レイアは少し罪悪感を感じた。


「うん。今度遊びに来るね。」


つい、そう言ってしまう。


その言葉で、るなの表情は一転した。
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