蝶々∞まりえ
疑惑
何かが目に見えて変わったわけじゃない。
目に見えて変わったのならば、誰だって前と今との違いを見つけ、自分なりに理解しようと努めるだろう。
でも、違う。
彼女の微妙な変化を言葉にしようとすればするほど言い表せないし、
どうにか言葉にして、詰まったところから、またうまく伝えようとしてもすぐに行き詰まり、同じことをただ繰り返すことになる。
そのうち相手は、
「オマエのほうが変わったんじゃないか、少し冷めてきたとかさ?」
とか、
「あんまり気にするなよ。友達とどうこうあったんじゃないか?」
と言い出す始末。
誰に話したって、どうにもないことにされてしまうほど解りにくいことを証明するのは難しい。
俺自身、それが何か掴めていないのだから。
だから、少しはヒントになるだろうといい訳し、
彼女がお風呂に入っている間に携帯を見ようと思った。
ソファーに置いてあるバックの存在を確かめる。
時計に目をやると、まだ彼女が入ってから20分。
デジタルに進んでいく秒をみると、ついこの間一緒に見た24のようだなと思った。
『新しく買ったの』
『このハートのところが可愛くなぁい?』
そういいながら見せてくれたバック。
そのきっちりした型の角に掛けられたピンク色のショールに手をかける。
ほんわりと香水の香りがして、ピンク色がまりえらしいなと思った瞬間、
携帯を見れば解るかもしれないという、あさはかな考え方が嫌になった。
そんな自分がばれないように、まりえがそうしていた通りにショールを掛けなおした。
浮気をしているようには見えないし、
二人の間には、そういう逃げ道のようなことは関係ない。
そういう付き合いをしているはずなのだから。
目に見えて変わったのならば、誰だって前と今との違いを見つけ、自分なりに理解しようと努めるだろう。
でも、違う。
彼女の微妙な変化を言葉にしようとすればするほど言い表せないし、
どうにか言葉にして、詰まったところから、またうまく伝えようとしてもすぐに行き詰まり、同じことをただ繰り返すことになる。
そのうち相手は、
「オマエのほうが変わったんじゃないか、少し冷めてきたとかさ?」
とか、
「あんまり気にするなよ。友達とどうこうあったんじゃないか?」
と言い出す始末。
誰に話したって、どうにもないことにされてしまうほど解りにくいことを証明するのは難しい。
俺自身、それが何か掴めていないのだから。
だから、少しはヒントになるだろうといい訳し、
彼女がお風呂に入っている間に携帯を見ようと思った。
ソファーに置いてあるバックの存在を確かめる。
時計に目をやると、まだ彼女が入ってから20分。
デジタルに進んでいく秒をみると、ついこの間一緒に見た24のようだなと思った。
『新しく買ったの』
『このハートのところが可愛くなぁい?』
そういいながら見せてくれたバック。
そのきっちりした型の角に掛けられたピンク色のショールに手をかける。
ほんわりと香水の香りがして、ピンク色がまりえらしいなと思った瞬間、
携帯を見れば解るかもしれないという、あさはかな考え方が嫌になった。
そんな自分がばれないように、まりえがそうしていた通りにショールを掛けなおした。
浮気をしているようには見えないし、
二人の間には、そういう逃げ道のようなことは関係ない。
そういう付き合いをしているはずなのだから。