Butterfly's dream ―自我の境界線―
 「いや!まだお外にいたい!だってこんなに綺麗なんだもん!」

 「そんなこと言わないで」

 「そんなこと言う橘先生キライ!」



 二つに結わえた髪の毛が揺れる頭に合わせてブンブンと左右に揺れる。

 子供らしいまだ柔らかく艶やかな髪が春風に乗ってふわりと漂う。
 

 橘はああ子供らしいことだと思うと同時にこの少女をどうやって病室に連れ戻そうかと考えた。
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