かくしご
落ちた
 「かあちゃん!」
 「かあちゃん!
 のんちゃんがおちた。」
けたたましい階段の足音と
共に二男と三男の声が聞こえた。

まったく暑い時に
子供は、次々騒ぐんだから。

連日の暑さに加え、
息子達の声で余計に
疲れを感じていた。

 「お母様。
 2階からのぶこちゃんが
 落ちました。」
と 10歳の長男の声で
顔をあげると、
大きな声で泣いている
信子を抱いていた。



< 1 / 47 >

この作品をシェア

pagetop