かくしご
我が家
 家に帰ると多少気まずさは、
あるものの以前のように 
息子達は、かわいい顔を見せてくれる。 
みつも怒っているようではなく 
信太郎の好物を食卓に並べてくれる。 

 《なんだ おれの家はここだよな。》
などとしみじみ思う。 
 
 しかし父にだけは何とも言えない雰囲気があり、会話が交わせない。

 そして夜の夫婦の会話となると
 「良かったわ、あなた帰ってきてくださって。 
 寂しかったんです私。」
さらに両手をついて、

 「おかえりなさいませ。」
と言い 目に涙までためている。

 「すまなかったな。 
 おれの身勝手さで、寂しい思いさせて。
 体の調子はどうだ? 
 ちょっとだけいいか?」とゆっくり妻の体に触ってみた。 
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