『私も歩けばイケメンにあたる♪』

かろうじて、声に出すのは何とかこらえたが・・、

うっそ~!!!!!
 うっそ~!!!!
  うっそ~!!!
   うっそ~!!
    うっそ~!

心の中で、絶叫がこだましている。


ちらりと、あいつの方を見ると、
特に変わった様子もなく、
たんたんとご飯を食べていた。

あいつの素直な返事に、逆に不安が高まった私は、
さりげなく断る口実を色々と述べてみたが、
結局二人で家を出る羽目になった。

だって、二人で行かなければ、学校への送り迎えように、
ハイヤーを用意させるというのだ。

今まで、男の子ばかりだったから、
学校くらい自分の足で行かせようと思っていたけど、
と、おじさんは続けた。

いえいえ、もちろん、
自分の足で通わせていただきますとも。

ハイヤーか、
あいつか、

究極の選択を迫られた私は、
当然、後者を選んだ。

ハイヤーになったところで、二人で通うことになる可能性は大きいわけで。
なんせ行き先は同じなのだ。

密室に二人きり、よりも、電車でその他大勢に囲まれた中の二人、
の方がマシに決まっている。

それに、ひょっとしたら、家だけ一緒に出て、途中で分かれるつもりかもしれない。

そんな希望的観測のもと、駅までの道を二人で歩き出した。




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