『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「親父の会社は、
介護用品も取り扱っててね。
製品の開発は、メインじゃないんだけど、
清の将来の夢は、
“人に優しい製品を開発すること”
でね。
人に優しい製品を作るには、
現場の様子がわからないと、って。
時々、ここで、
ボランティアやらせてもらってるんだよ。
お年寄りの話の聞き役としてね。」
心さんは、動けないでいる私に、
目の前の状況を説明してくれた。
さっき、挨拶した職員さんが、
あいつに近づいて、話しかけている。
どうやら、気を利かせて、
私たちの来訪を、あいつに伝えたらしい。
顔を上げたあいつの目が、
あいつを見つめる私の目と合ったとたん、
さっきの笑顔は、瞬時に掻き消えて、
苦虫を噛み潰したような顔になった。