The Last Lie
『…そうなんだ』
五十嵐君はニッコリ笑って本を閉じた。
そしてそのまま出窓から降りて本を棚に戻しに行く。
『あれ?帰るの?』
五十嵐君はいつも本を借りて行かない。不思議に思って以前理由を聞いたら『返すの面倒なんだよね』と言っていた。
だから本を戻すって事は帰るって事だと思ったんだけど…。
本を戻し終えた五十嵐君は貸し出しのカウンターに行って貸し出し名簿を開く。
『水曜日ってさ俺が当番なんだよね、まぁ樺乃ちゃん以外は借りてる奴いないけど…樺乃ちゃん、今日は持って来た?』
『何をー…あ、……』
『ん?忘れちゃった感じ?もう随分経つよね?1週間前だっけ頼んだの』
『……』
『俺の気に入ってる本、三日で返す約束だったよね?樺乃ちゃん』