The Last Lie
私は、こんな声の人を一人しか知らない。
聞き間違えたりしない。
聞き間違えようがない。
聞こえたのは、他の誰でもない柚杞の声だった。
聞こえたのは、“あの電話”の 楓さんを呼ぶ柚杞の声だった。
自然と足が止まった。
でも公園の中に目は向けられなかった。
柚杞、バイトだって、言ったよね?言ってたよね?
“バイトだから先帰るけどあんま遅くなんなよ”
数時間、ううん一時間位前の柚杞との会話で彼は確かにそう言った。
いつも通り特に笑顔も話も無かったけど、いつも通り少し目を細めて私を見た後、軽く頭を撫でてくれた。