The Last Lie

漫画みたいに感動の再会なんてのは所詮やってこない。あれは恋する人間を対象にした、ただの理想であって現実ではあんな風に丸く収まることなんてない。

現に私たちは誤解や疑問、嫉妬に嘘…お互いや周囲の沢山の感情や事情に振り回され、時には自分の気持ちさえも持て余す。


…私が不器用なだけかもしれないけど。


目の前の人。

相変わらずの整った顔もその余裕そうな空気だってこの学校の誰もが知ってる《伊川柚杞》そのもの。

こんな人と付き合ったって事実は、ただそれだけで私みたいな凡人にはあり得ないくらいのラッキーのような気がしてくる。


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