The Last Lie
甘い苦しさで滲む視界には柚杞の意地悪い目が映る。

好きじゃないなら、こんなキスは止めてほしい。

こんな、私を確かめるような、味わうようなキス。



しばらくして柚杞の手が腰から離れ、やっと終わるかと思ったら、柚杞はキスを続けたまま私の手にあったカップを取り上げる。


最後に軽くリップ音をたてて唇を離すと代わりにそのカップを口に持っていく。柚杞の喉が軽く動き、紅茶を飲んでるのが分かる。

その動作をぼんやりと眺めながらペタリと床に座りこんだ。腰を引き寄せられて膝立ちしてたせいか、足に力が入らない。

痺れの残る舌といつもより速い心音。

それが整う前に柚杞の甘くて低い声がした。


『座るならこっち来て』



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