The Last Lie
振り向いた先の香汰くんはやっぱりどこか寂しそうだったけど、穏やかな声をだした。
『柚杞と樺乃ちゃんが変わっても、俺と樺乃ちゃんは変わんないよ?』
『……』
『てゆーか、樺乃ちゃんと話せなくなるのは俺が寂しいかな…嫌?』
『…っ嫌じゃないよ!!香汰くんは私のお兄ちゃんみたいなもんだし、優しいし、友達だもん!』
勢いよく首を横に降って必死に叫ぶ私に、香汰くんはやっといつものやわらかい笑顔を見せてくれた。
香汰くん。
難しい柚杞を唯一理解してる柚杞の友達。
こんな私の面倒をみてくれた優しい男の子。
彼といつか笑って柚杞の事を話せたらいいと思った。
そう思えた四時間目の出来事。
日曜日まであと5日。