The Last Lie

彼女の特権


移動教室からの帰り道。


『ねー、どうなの?』


『…………』


『ねー、樺乃(かの)』


『…………』


ああ、うるさい。

ざわざわとたくさんの生徒とすれ違いながら教室を目指す。長い午前中の授業が終わって次は待ちに待った昼休みだってゆうのに、


『ねーってば!!』


後ろからしつこく私を呼ぶ女が一人。


『麗(れい)、うるさいー』


げんなりしながら振り返ると、綺麗な顔を歪める麗がいた。


『じゃあ教えて、実際どうなの?』


『…なにが?』


『人の話聞いてた?』


『いや、全く』


『だーかーら、伊川君との付き合い方!!』



ほんと、何でこんな話題…


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